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 No.6 携帯電話について 「アンテナ」 

弁理士 吉田 芳春

ポケベルが高校生を中心に社会現象となった時期もありましたが、瞬く間に形勢は一変し、東京テレメッセージが会社更正法申請に至ったことは、まだ記憶に新しいところです。一方、それに取って代った携帯電話は、成長著しい通信業界においてまさにけん引役といえる躍進を続けており、本年4月末までの加入台数は累計で42,456,400台となっています。
そこで今回からは、「携帯電話とその利用」(発明協会発行)を参考に、携帯電話をいくつかの構成要素別に取り上げます。第1回目はアンテナ部です。

 携帯電話機全体の出願件数は、表1のように推移しています。1981年まではほとんど出願がなく、1986年までは毎年20件以下に留まっていましたが、1987年以降携帯電話のサービスが始まってからは増加傾向に転じ、デジタル型のサービスが開始された1993年以降はそれまでの2倍以上に急増しています。

 携帯電話機のアンテナ部に関する出願件数は表2のように推移しており、携帯電話機全体とおよそ同じ傾向を示しています。 1990年時点で30件強、1995年で110件強です。

表1
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表2
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以下に主な出願を紹介します。
図1は、実用新案登録第3049188号で、携帯時の利便性を向上させる工夫です。アンテナを2段に折り曲げ可能とし、電話機本体に沿ったクリップ部を形成することを特徴としており、電話機を着衣のポケットなどに入れておく際、クリップを縁に引っ掛けることができます。既存の電話機とアンテナ部分のみを交換できるようになっています。

図1
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図2は、実用新案登録第3055124号で、アンテナの出し入れ操作が素早く簡単にできるようなされた工夫です。アンテナにはバネが装着されており、矢印の部分を押すだけでアンテナが飛び出るしくみになっています。電波の悪いところで突然電話がかかってきても、迅速に対応できるということです。こちらもまた、既存の電話機とアンテナ部分のみを交換できるようになっています。

図2
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図3は、実開平3-66248号で、アンテナ内部に光ファイバーを設け、本体の発光部からの光をアンテナ先端部へと伝送し、先端を発光させるようにした工夫です。

図3
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図4は、特開平9-298410号で、アンテナを付け替えることなく、発光式アンテナに変えることができる発明です。LEDランプをアンテナ先端にはめ込むだけでよいため、使用者が好きなキャラクタなどの形状を選んで簡単に取り外し可能となっています。

図4
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現在、次世代携帯電話の標準化が進められており、これが実用化されれば最大で現行の200倍という伝送速度まで可能となるそうです。無線で高速のインターネット接続やテレビ電話が利用できる日も近いというわけです。

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