引戸の金物
引戸の特徴
引戸は、住宅の洋風化に伴ないその使用数がドアに押され気味でしたが、近年、高齢者やハンディキャッパーにも使いやすい建具としてその良さが見直され、復活の傾向にあります。
金具から見た引戸の種類
金物屋の立場から引戸の種類を見てみると、おおよそつぎのようになります。
- 襖や障子のように、敷居と鴨居の溝の中を滑って開閉する引戸。すなわち、滑車が使用されていないタイプです。
- 床面にレールを敷き、その上を戸に付けた滑車が走ることにより開閉する引戸。やや重めの引戸に使用します。
- 上枠にレールを取り付け、その中を戸に付けた滑車が走ることにより開閉する引戸。上から戸を吊っているので、操作が軽く、静かに開閉できるタイプです。また、床にレール等の突出物がないため、ワゴンなどの走行や歩行の邪魔にならないという大きなメリットがあります。
引l戸金具の種類と特徴
引戸錠
引戸は開閉する際にドアのように場所を取らないという利点があるため、近年人気上昇中の建具です。また、家族間においてもプライベートを尊重するなどの風潮により、個室の施錠化が一般的になり、引戸にも錠が使われるようになっています。 アトムでは、室内の間仕切り引戸用として、個室錠タイプ、間仕切錠タイプ、引手付きタイプの3種類の鎌錠を用意しています。いずれも施工上や使用上のアイデアが加えられて、たいへん使い易いものばかりです。プライベートルームやベッドルームなどの引戸にご使用になると効果的です。
床レールと戸車
戸車は、重めの引戸を軽やかに開閉させるために不可欠な金具です。戸車にはいろいろな種類がありますが、その中から、戸車の基本的機能にさらに戸の調整機能が加えられた「調整戸車」について簡単に説明します。引戸の建て付けを調整するのは容易な事ではなく、大変な手間とコスト掛かります。とくにこれからは、現場施工の短縮は最も重要なテーマの一つと言われています。そんな要望に応えるのが調整戸車で、この戸車を使用すれば、戸車についている調整ねじをドライバーで回すだけで戸が上がったり下がったりしますので、建て付け調整が非常に簡単にできます。
ハンガータイプの引戸金具
ハンガータイプの引戸とは、上枠にレールを取り付け、その中を戸に付けた滑車が走ることにより開閉する引戸です。金具にはつぎのような特徴があります。
- 上から戸を吊っているので、操作が軽く、静かに開閉できるタイプです。
- 床にレール等の突出物がないため、ワゴンなどの走行や歩行の邪魔にならない
という大きなメリットがあります。 - ドライバー1本で戸の上下左右の位置調整ができます。
金具の種類
上レール
レールは上枠に取り付け、あとから幕板を付け て仕上げるのが一般的です(掘り込んで取り付 けることもできます)。材料はサッシと同じアル ミ合金の押出し材を使用しています。
吊り車
戸の上下調整装置が付いていて、ドライバーか 専用工具で操作ができるようになっています。 車の種類は、戸の重量に応じて、また物入れか 間仕切りかに応じて、さらにまた車の取り付け方 法によって、色々な種類があります。
ストッパー
レールの中に取り付けます。戸を開閉する際に 戸が枠に直接バタンと当たるのを避けるために、 その手前で車をストップさせる金具です。他には、 引分け引戸用の関止めとしても使用できます。
床部ガイド金具
床に引戸1枚あたり1ケ取り付けます。戸の下に 溝を切り床部ガイド金具に差し込みます。戸の厚 さやその他の条件に応じて、材料・サイズ違いが 数種類あります。また、床付け用の他に、壁面取 り付け用もあります。
戸の位置調整方法(例)
引戸金具には多くの種類があり、種類によって調整方法も異なりますが、
ここでは当社CDシステムを例に調整方法をご紹介しています
戸が下がり過ぎたり、上がり過ぎたりしている場合
↓
吊り車は本体部とカバー部に分かれる構造になっています
吊り車の固定ねじを緩めて上に上げてから、本体部をカバー部から引き抜き、
本体部を手で回して調整してください。
戸を開け閉めする際、戸が竪枠にドスンと当たる場合
↓
ストッパーの固定ねじを緩めて内側方向に移動して調整します。