取手
取手はいうまでもなく扉や引出し等を開けるための金物ですが、「手に触れる」「目に触れる」ということから感触製や装飾性が強く求められます。したがって、「堅い」が代名詞の金物のなかにあって唯一の嗜好品で、非常に多くの種類が揃っています。
それらの多様なデザインを大別しますと次のようになります。
取手
「手に触れて扉や引出し等を開けるための金物」のことをすべて取手と呼んでいますが、狭義には、その中、下の写真のように「握って持てるような形状のもの」に限って呼ぶ場合もあります。おもに大きな扉、重い引出しなど、開けるためにある程度力を必要とする場合に適した形状です。
撮(つまみ)
下の写真のように、いわゆる「つまんで」持つような小さな形状のものを呼んでいます。
おもに小さな扉に使用しますが、近頃では、小ぶりで控えめなデザインが好まれて、大きな扉にも良く使用されています。
下り(さがり)/かん
昔の調度品によく見られる金具で、現在でも和家具に使われています。手を掛ける部分が坪部を軸にブラブラト回転することから「ブラかん」などとも呼んでいます。
下りは坪部が一つで、取手部分が縦長のものが多く、おもに扉に使用します。
「かん」は坪部が2つで、取手部分が横長で、おもに引出しに使用します。
なお、「かん」という字は勿論ひらがなではなく、本来「金偏に丸」と書いて「かん」と読みますが、すでにこの漢字がありませんので、ここではひらがな表記にした次第です。
手掛け
手が入る部分を扉に掘り込んで取り付けるため、扉の表面に金具が突出していないというメリットがあります。
引戸用の取手(これをとくに引手と呼んでいます。)と一見似ていますが、手掛けには扉を手前に引けるように手の掛かる部分がありますが、引戸用の引手にはそれがありません。
プッシュ撮
撮部分を押すと撮部分が凹んで扉表面から出っ張らない状態になり、しかも扉がロックされ、振動により扉が勝手に開いたりせず、また、凹んだ状態の撮部分を押すと扉のロックが解除されて撮部分が飛び出してきて取手機能を果たす、という取手です。これからの「バリヤフリーでかつ地震に安心な住宅」に適した取手です。