アトムリビンテックのあゆみ ~ スライド丁番国産化へ
スライド丁番は第二次世界大戦後、旧西ドイツで生まれました。
日本に入ってきたのは1965年(昭和40年)頃で、東京と大阪それぞれ1軒ずつの金物屋が輸入代理店になって販売していました。
それまでの丁番の概念からはおおよそかけ離れたものだったため、なかなか普及しませんでした。
そのような状況のもと1969年(昭和44年)、当社は日本で初のスライド丁番国産化に踏み切りました。
当時としてはかなり無謀と思えるチャレンジでしたが、3代目社長の「近い将来、家具や住宅の工業化がさらに進み、それに対応できる丁番が必ず必要とされるようになる」という将来に対する読みと、「よその国で造れるものが、日本で造れないわけがない」という日本の技術に対する確信から断行するに至りました。
苦戦の末の自社開発を経て、1971年(昭和46年)に「110°スライド丁番スタンダード型」を発売。しかし当初は、不慣れや当時の業界の技術水準等の原因から、設計ミスや精度不足など失敗とクレームの連続でした。
※スライド丁番については、当社広報誌ATOM NEWS 191号の「What is ATOM」において、社長 髙橋良一がQ&A形式でお答えしています。こちらも是非ご覧ください。
アトムニューズ取材メモ No200編
6月に発行しました、アトムニューズ200号でお邪魔した際の取材メモをご紹介します。
アテナの道具箱:指物職人・益田大祐さん
P5上段右の写真にもあるように、益田さんの仕事場では道具たちがきれいに揃えられ、出番を待っています。
鉋の数は200挺以上。中にはミニサイズの鉋もあります。可愛らしい。
鉋などの道具は、益田さん自ら作るものもあるとのこと。
薄~く削られた木くず。コンマレベルのお仕事なんですね。
古今東西 たてものがたり:桜なべ中江
いい雰囲気ですよね。
本誌でもご紹介しましたが、こちらは2010年に国の「登録有形文化財」に指定されており、外壁にその標識があります。
名物の桜なべ
Information
アトムニューズ各号で特集した場所をこちらにまとめました。お散歩のお供に。
アトムリビンテックのあゆみ ~ 建築金物部門を設置
1965年(昭和40年)2月、従前より手掛けていた棚受などの陳列金物に加え、幅広く建具金物への進出を目指して、新たに建築金物部門を開設した。
これは予てから考えられていたことで、家具も住居の中で使われる以上、いずれは「家全体の調和」という問題として捉えられるようになってくるのではと思われ、また、既製の建具金物が少々繊細な面に欠けているきらいがあり、あまりにも変化がなく、物足りなく感じられていたためである。
創設当初には想像通り幾多の困難があったが、本来の得手であったハンドル、引手、戸引手等の分野から始まり、その後さらに玄関錠、丁番、折戸、上吊式引戸システム金具等々の機能品まで手を伸ばし、建築金物と家具金物を統合した内装金物(住まいの金物)という独自の事業分野を確立するまでに至った。
1965年の出来事
・日本サッカーリーグ開幕
・大塚製薬「オロナミンC」を発売
・沖縄県西表島でイリオモテヤマネコを発見
・プロ野球のドラフト制がスタート
・水木しげる「墓場の鬼太郎」(ゲゲゲの鬼太郎)連載スタート