取材に行ってきました No183編
アトムリビンテックのあゆみ ~ 関東大震災
大正12年(1923年) 関東大震災が産業界に活を入れる
第一次世界大戦が終息して先進諸国の産業が平和産業に復帰して来るにつれて、日本の好景気も徐々に沈静し、大正10年代(1921年~1926年)には不況に向かった。当然ながら家具金物業界も相当な不景気になった。
髙橋良助商店も同様であったが、自ら職方を抱えている以上、売れ行きが悪いからといって仕入れを止めることも、自家製品の製造を中止することもできない。関東大震災に見舞われる頃には、店舗部分には商品が置き切れず、住宅部分にも積み込まれていた状態であった。
関東大震災は、日本の景気が沈滞して不況のどん底に喘いでいる最中に起こった。しかし震災による衣食住の大消耗は、災害後の復興景気となって産業界に活を入れる結果をもたらした。
家具業界においても、この時を転機として古き佳き時代を享受していた旧問屋勢力が衰退して、新勢力が台頭勃興したのである。
髙橋良助商店が、一応、家具金物業者としての業容を整えたのも、この震災を契機にしてであった。
震災後まもなく、跡地にバラック建てを再建。髙橋良助は震災時に機転を利かせて在庫商品を井戸に投げ入れ、家屋はともかく商品そのものの焼失は免れたが、漏れ損じてすぐには売り物にならぬ金物類を手直し再生して、粕壁(現在の春日部市)から、遠路、自転車にリヤカー牽きで東京入谷の店へと運んだ。これが面白いほど売れたという。
1923年の出来事
・東京 築地市場が開場
・東京 丸の内ビルディング完成
・寿屋(現・サントリー)の鳥井信治郎が国産初のウイスキーを製造開始
・日賀志屋(現・ヱスビー食品)が創業し、孔雀印カレー粉を発売
・「文藝春秋」創刊
アトムブランド誕生60周年
昭和29年(1954年)1月、商標としてアトムマーク を制定しました。
アトムとは、物質を構成する最小の単位であり、このマークには、つねに基本に忠実であれとの願いが
込められています。
以来当社は、江戸指物の金具職人であった創業者の言「独り歩きのできる商品を提供すべき」との教えに
基づき、それまで伝統的に別分野とされていた実用本位の建築金物と、デザイン性を重視する家具金物の特徴を融合させた「内装金物(住まいの金物)」という独自の事業分野を開拓し、企画・開発・販売を兼ねる
ファブレスメーカーとして、新しい時代に即した事業展開を積極的に進めてまいりました。
そして、昭和62年(1987年)9月、アトムマークは へ変わります。
その際、自らを「住まいの飾り職人」と名乗ることで、私たちは「職人」である、という初心を忘れることなく、
伝統と変革を融合させ、先駆的な商品開発をおこなう企業であることを明確化しました。
これからも当社は、創業以来110年の思い「独り歩きのできる商品を提供する」を全うすべく、本来の
企画開発型企業として、新技術や新商品の開発に取り組んでまいります。
CSタワー2階「ATOM’s history」では、これまでのアトム製品のカタログを展示しております。
ご来館の際には、是非ともご覧ください。
アトムCSタワー/亜吐夢金物館
〒105-0004 東京都港区新橋4-31-5
営業時間 10:00~18:00
休館日 土曜日・日曜日・祝日(第1・第3土曜日は営業)