アトムニューズ取材メモ No193編
9月に発行しました、アトムニューズ193号でお邪魔した「鎌倉文学館」の取材メモをご紹介します。
昔々の文学館
文学館の正門のところに「長楽寺跡」の石碑が建っています。
1225年(嘉禄元年)北条政子が夫である源頼朝の菩提を弔うため、長谷笹目ヶ谷(鎌倉文学館付近)に長楽寺を建立しました。しかし、1333年(元弘元年)兵火により焼失してしまいました。
正門から建物まで
かつては旧前田侯爵家の別邸でありその後、第二次世界大戦を経て、デンマーク公使や佐藤栄作元首相が別荘として借りていただけあり、立派な門構えです。
正門を抜け、森の中を石畳の道に沿って歩いていくとトンネルが。
こちらは、源頼朝が黄金の短冊をつけて千羽の蔓を放ったという故事から「招鶴洞」と名付けられたトンネルとのこと。このトンネルを抜け、森の中を歩いていくと…
ハーフティンバーを基調とした建物が見えてきます。こちらの別邸は、真夏と真冬に使われていたそうです。
外灯碑
敷地内には、あるゆかりの文学者の俳句や短歌が書かれた外灯碑があります。
写真左は夏目漱石の「冷やかな鐘をつきけり円覚寺」
写真右は松尾芭蕉の「鎌倉は生きて出にけん初松魚」
文学館のホームページには、外灯碑が掲載されています。
由比ガ浜
P3にもテラスから見た海が掲載されていますが、お庭からも見えます。
天気がいいと大島も見えるそうで、三原山の噴火の様子も見えたそうです。
バラ園
庭園には様々な植物が植えられており、特にバラ園には200種類250株のバラが栽培されています。
このバラ園には「春の雪」(写真左)や「化粧坂」「鎌倉」「静の舞」など鎌倉にゆかりのある名前がついたバラが栽培されています。写真右のバラはその名も「ベルサイユのばら」です。
秋は10月下旬がピークとのことなので、ホームページに掲載されている「バラ園MAP」を片手に是非ともお出かけになってはいかがでしょうか?
Information
アトムニューズ各号で特集した場所をこちらにまとめました。お散歩のお供に。
[KANAGU story02]職人との交流1 高岡職人との出会い
アトムCSタワー1階にある「ギャラリーショップKANAGU」では、職人こだわりの金属の雑貨やインテリアをご紹介しています。
最近では「有吉くんの正直さんぽ(フジテレビ系列)」、「ぶらり途中下車の旅(日本テレビ系列)」、「じゅん散歩(テレビ朝日系列)」など、メディアに取り上げられる機会が増え、ありがたいことに足をお運びくださるお客様も増えてきました。
そこでショップスタッフの皆さんに、「ギャラリーショップKANAGU」の魅力をたっぷりと語っていただく連載をスタートしました。
今回は、ショップスタッフの峰島さん、住吉さんに職人との交流についてお話をうかがいました。
-「ギャラリーショップKANAGU」のオープンにあたり、様々な職人との出会いがあったとうかがいましたが?
峰島:そうですね。2010年は様々な職人と、お話しする機会がありました。前回お話しした、伝統工芸士の折井さんへの飛び込み訪問は、KANAGUの新たな職人ネットワークのスタートとなりました。
-折井さんはどのような職人ですか?
住吉:銅や真鍮に伝統的な技法で着色・発色する職人です。伝統的な技法というのは、例えば鉄漿(おはぐろ)やお茶、大根おろしなどを使って銅や真鍮を煮たり焼いたりしながら着色していくのです。アンモニアを気化させてさらす事で強制的に緑青(ろくしょう)を発生させて綺麗な緑や青を発色させたりと、色の魔術師みたいな職人です(笑)。
-そんな魔術師のところへ飛び込みで訪問に行ったんですね(笑)。
住吉:そうですね(笑)。最初はほぼ飛び込み同然という形でお会いして、「こいつら何者だ??」と思われたかもしれないという雰囲気があって、こちらも緊張していたんですけど、工場を見学させてもらって、当社の話をしていたらすぐに打ち解けたので、そこからは友達のような、兄貴のような、不思議な感覚でしたね。でも、ご本人曰く「俺、人見知り」って(笑)。
高岡の職人仲間からも慕われていますし、叱咤激励してくれる、頼れるアニキ!という言葉がしっくりきますね!
-職人の仕事場に行くこともあるのですか?
峰島:はい。折井さんとのご縁で実現した、高岡伝統工芸職人ツアーは刺激を受けました。
住吉:折井さんの工場訪問から少しして、CSタワーに青井さんという当時(株)ナガエという会社にお勤めの方が自分の商品を持って「折井さんの紹介で来ました~」って急に現れたんです。
一通り商品の紹介をされた後、僕らのショップの話や職人への熱い思いを語っていたところ、「高岡の職人であればいくらでも紹介してあげますよ!」という青井さんのご厚意でまた高岡に行くことになりました。
-初の高岡訪問からどのぐらいの期間で、また高岡に行くことになったのですか?
住吉:確か、高岡へ初めて行ってから次の訪問まで本当にあまり間隔がなかった気がします(笑)。今では『高岡クラフツーリズモ』という工場見学ツアーで気軽に見学する機会がありますが、当時はまだ東京からわざわざ工場の見学、はたまた職人の手仕事によるアイテムを探しに来るという事があまりなかったそうです。高岡伝統産業青年会(伝産)に所属する僕らと同世代の職人を紹介してもらい、それぞれの工場を見学させてもらいました。
高岡漆器のプロデューサー國本さんや、おりん職人のシマタニ昇龍工房の島谷さん、大寺幸八郎商店の大寺さん、嶋モデリングの嶋さんといった、今やレジェンドと呼ばれる方々とは2回目の高岡訪問時に仲良くなりました。そこからは早かったですね!
縦横の繋がりで訪問する度に、どんどん後輩の職人やキュレーターなど伝産の方々を紹介してくれましたし、CSタワーにも来てくれるようになりました。
-ツアーの後で、高岡の職人たちとグッと距離が近くなった感じですね。
住吉:そうですね。弊社広報誌「ATOM NEWS」にアルチザンギャラリーという職人をクローズアップした企画があったのですが、伝統工芸士・折井さん(174号)、研磨職人・松岡さん(176号)、原型師・嶋さん(177号)、鋳造職人・定塚さん(178号)、おりん職人・島谷さん(186号)に登場していただきました。
更に島谷さんとは、コラボ商品の販売をさせていただいています。
-まさしく『職人の輪』ですね。
住吉:はい。未だにレジェンドさん達は、「アトムさんは高岡の職人が今ほど注目される前から来てくれているんだ」って伝産の後輩たちやその他の方々への紹介の時に言ってくれます。
そう言ってもらうたび、僕は毎回泣きそうになるんです(笑)。
もちろん工場見学はとても面白く、興味深い事ばかりで、高岡の歴史の勉強にもなりました。
何より、高岡に泊まって、地酒と地魚を一緒に食らって、夜中まで騒いだ!というのが酒好きの職人達にハマったのかなと思っています(笑)。彼らが展示会やイベントで都内に来た時もご一緒させてもらい、年に何回も会う事で深い絆が生まれたのかもしれません。
-そのたびにCSタワーにも来てくれるのですか?
住吉:毎年2月のギフトショーの時には必ず、「職人交流会」という集まりをCSタワーで行っています。もうかれこれ4~5年になりますね。
最初は、高岡伝統産業青年会のみなさんと僕らだけの10人ぐらいの規模でしたが、年々、別の地域の職人だったり、高岡伝統産業青年会40周年を記念して作られたショートムービーへの主演がきっかけで、今では自分の事を「伝統産業女優」と呼ぶようになった本物の女優さんも来るようになって、気が付いたら60人とか70人とか軽く超えるような交流会に成長しました。
まだまだいろいろな出来事や事件(笑)もあったけど、キリがないのでまたの機会に。
次回は2016年11月に掲載予定です。お楽しみに。
ギャラリーショップKANAGU
Add:東京都港区新橋4-31-5 アトムCSタワー1階
TEL:03-3437-7750
Access:JR・東京メトロ銀座線・都営浅草線「新橋」
都営三田線「御成門」「内幸町」より徒歩8分
営業日・営業時間はホームページをご覧ください
URL:https://www.atomlt.com/cstower/
アトムニューズ193号リリース!
弊社広報誌、ATOM NEWS 193号(2016年秋号)をリリースしました。
古今東西たてものがたりでは神奈川県鎌倉市にある鎌倉文学館を訪れました。
旧前田侯爵家別邸を改修した、長谷の高台にある森の中にたたずむ建物は歴史を感じます。
また、鎌倉にゆかりのある作家たちの直筆原稿なども見ることができます。
読書の秋にもってこいのスポットではないでしょうか。
大好評の「住まいに役立つ仲間たち」では「床」を特集。
「床」と一言でいっても、土間、板、畳とさまざま。
どの床を選択するかによって、生活も大きく変わってきます。あなたはどの「床」を選択しますか?
ATOM NEWS 193号は、本社(東京・入谷)、CSタワー(東京・新橋)、各拠点(札幌・前橋・大阪・広島)にて配布中です。
また、弊社ホームページでもバックナンバーも含め、ご覧いただけます。
[コンテンツ]
古今東西たてものがたり 鎌倉文学館
住まいに役立つ仲間たち あなたのお家の「床」はどうですか?
Vegetable Atelier スイートハラペーニョ
石の神様・仏様 永遠のサイクル
幸せの国への静かな道 和歌山県・奈良県・三重県
What’s ATOM? アトムリビンテックって、どんな会社?4 and so on
[読者プレゼント]ブックエンド 新種:陸ヒトデ
富山県高岡を拠点に活動している金工作家 青木有理子さんの作品「新種:陸ヒトデ」を2つセットでお届けします。オブジェとして秋のインテリアのアクセントにもいかがですか。
こちらのブックエンドをアンケートにお答えいただいた方のなかから抽選で4名様にプレゼントいたします。
巻末のはがき・FAXまたは弊社ホームページよりご応募ください。
締め切りは2016年10月31日(月)です。ご応募おまちしております。