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ドア・引戸・折戸などの建具金物、クローゼットなどの収納の金具や家具金物、手摺や物干し金物など「住まいの金物」の製造、販売。

[KANAGU story02]職人との交流1 高岡職人との出会い

  • 2016年9月20日

アトムCSタワー1階にある「ギャラリーショップKANAGU」では、職人こだわりの金属の雑貨やインテリアをご紹介しています。
最近では「有吉くんの正直さんぽ(フジテレビ系列)」、「ぶらり途中下車の旅(日本テレビ系列)」、「じゅん散歩(テレビ朝日系列)」など、メディアに取り上げられる機会が増え、ありがたいことに足をお運びくださるお客様も増えてきました。
そこでショップスタッフの皆さんに、「ギャラリーショップKANAGU」の魅力をたっぷりと語っていただく連載をスタートしました。
今回は、ショップスタッフの峰島さん、住吉さんに職人との交流についてお話をうかがいました。

 

-「ギャラリーショップKANAGU」のオープンにあたり、様々な職人との出会いがあったとうかがいましたが?

峰島:そうですね。2010年は様々な職人と、お話しする機会がありました。前回お話しした、伝統工芸士の折井さんへの飛び込み訪問は、KANAGUの新たな職人ネットワークのスタートとなりました。

 

-折井さんはどのような職人ですか?

住吉:銅や真鍮に伝統的な技法で着色・発色する職人です。伝統的な技法というのは、例えば鉄漿(おはぐろ)やお茶、大根おろしなどを使って銅や真鍮を煮たり焼いたりしながら着色していくのです。アンモニアを気化させてさらす事で強制的に緑青(ろくしょう)を発生させて綺麗な緑や青を発色させたりと、色の魔術師みたいな職人です(笑)。

折井さん

 

-そんな魔術師のところへ飛び込みで訪問に行ったんですね(笑)。

住吉:そうですね(笑)。最初はほぼ飛び込み同然という形でお会いして、「こいつら何者だ??」と思われたかもしれないという雰囲気があって、こちらも緊張していたんですけど、工場を見学させてもらって、当社の話をしていたらすぐに打ち解けたので、そこからは友達のような、兄貴のような、不思議な感覚でしたね。でも、ご本人曰く「俺、人見知り」って(笑)。
高岡の職人仲間からも慕われていますし、叱咤激励してくれる、頼れるアニキ!という言葉がしっくりきますね!

 

-職人の仕事場に行くこともあるのですか?

峰島:はい。折井さんとのご縁で実現した、高岡伝統工芸職人ツアーは刺激を受けました。

住吉:折井さんの工場訪問から少しして、CSタワーに青井さんという当時(株)ナガエという会社にお勤めの方が自分の商品を持って「折井さんの紹介で来ました~」って急に現れたんです。
一通り商品の紹介をされた後、僕らのショップの話や職人への熱い思いを語っていたところ、「高岡の職人であればいくらでも紹介してあげますよ!」という青井さんのご厚意でまた高岡に行くことになりました。

 

-初の高岡訪問からどのぐらいの期間で、また高岡に行くことになったのですか?

高岡クラフツーリズモ住吉:確か、高岡へ初めて行ってから次の訪問まで本当にあまり間隔がなかった気がします(笑)。今では『高岡クラフツーリズモ』という工場見学ツアーで気軽に見学する機会がありますが、当時はまだ東京からわざわざ工場の見学、はたまた職人の手仕事によるアイテムを探しに来るという事があまりなかったそうです。高岡伝統産業青年会(伝産)に所属する僕らと同世代の職人を紹介してもらい、それぞれの工場を見学させてもらいました。

 

高岡漆器のプロデューサー國本さんや、おりん職人のシマタニ昇龍工房の島谷さん、大寺幸八郎商店の大寺さん、嶋モデリングの嶋さんといった、今やレジェンドと呼ばれる方々とは2回目の高岡訪問時に仲良くなりました。そこからは早かったですね!
縦横の繋がりで訪問する度に、どんどん後輩の職人やキュレーターなど伝産の方々を紹介してくれましたし、CSタワーにも来てくれるようになりました。

原型師嶋さmm  おりん職人島谷さん

 

-ツアーの後で、高岡の職人たちとグッと距離が近くなった感じですね。

住吉:そうですね。弊社広報誌「ATOM NEWS」にアルチザンギャラリーという職人をクローズアップした企画があったのですが、伝統工芸士・折井さん(174号)、研磨職人・松岡さん(176号)、原型師・嶋さん(177号)、鋳造職人・定塚さん(178号)、おりん職人・島谷さん(186号)に登場していただきました。

アトムニューズ147号 アトムニューズ174号取材風景

更に島谷さんとは、コラボ商品の販売をさせていただいています。

すずがみ

 

-まさしく『職人の輪』ですね。

のどぐろ住吉:はい。未だにレジェンドさん達は、「アトムさんは高岡の職人が今ほど注目される前から来てくれているんだ」って伝産の後輩たちやその他の方々への紹介の時に言ってくれます。
そう言ってもらうたび、僕は毎回泣きそうになるんです(笑)。
もちろん工場見学はとても面白く、興味深い事ばかりで、高岡の歴史の勉強にもなりました。
何より、高岡に泊まって、地酒と地魚を一緒に食らって、夜中まで騒いだ!というのが酒好きの職人達にハマったのかなと思っています(笑)。彼らが展示会やイベントで都内に来た時もご一緒させてもらい、年に何回も会う事で深い絆が生まれたのかもしれません。

 

-そのたびにCSタワーにも来てくれるのですか?

住吉:毎年2月のギフトショーの時には必ず、「職人交流会」という集まりをCSタワーで行っています。もうかれこれ4~5年になりますね。
最初は、高岡伝統産業青年会のみなさんと僕らだけの10人ぐらいの規模でしたが、年々、別の地域の職人だったり、高岡伝統産業青年会40周年を記念して作られたショートムービーへの主演がきっかけで、今では自分の事を「伝統産業女優」と呼ぶようになった本物の女優さんも来るようになって、気が付いたら60人とか70人とか軽く超えるような交流会に成長しました。

職人交流会1  職人交流会2

まだまだいろいろな出来事や事件(笑)もあったけど、キリがないのでまたの機会に。

 

次回は2016年11月に掲載予定です。お楽しみに。

 

KANAGUギャラリーショップKANAGU

 Add:東京都港区新橋4-31-5 アトムCSタワー1階
 TEL:03-3437-7750
 Access:JR・東京メトロ銀座線・都営浅草線「新橋」
     都営三田線「御成門」「内幸町」より徒歩8分
 営業日・営業時間はホームページをご覧ください
 URL:https://www.atomlt.com/cstower/

[KANAGU story01]「ギャラリーショップKANAGU」オープンに向けて

  • 2016年8月22日

アトムCSタワー1階にある「ギャラリーショップKANAGU」では、職人こだわりの金属の雑貨やインテリアをご紹介しています。
最近では「有吉くんの正直さんぽ(フジテレビ系列)」、「ぶらり途中下車の旅(日本テレビ系列)」、「じゅん散歩(テレビ朝日系列)」など、メディアに取り上げられる機会が増え、ありがたいことに足をお運びくださるお客様も増えてきました。
そこでショップスタッフの皆さんに、「ギャラリーショップKANAGU」の魅力をたっぷりと語っていただく連載をスタートします。
今回は、ショップスタッフの峰島さんに、オープン当時のお話をうかがいました。

 

-どのようなきっかけで「ギャラリーショップKANAGU」をスタートしたのですか?

アトムリビンテックは、1903年に創業した家具金物・建具金物・陳列金物など、住宅用内装金物全般の企画・開発・販売を行っている会社です。
1980年に金物の選択者・使用者側と製作者側との相互交流を求めるため、現在のCSタワーの場所に、内装金物のショップ&ショールーム「亜吐夢金物館」を開館しました。
その後、2007年にショップ&ショールームだけではなく「住空間創造企業」を目指し、ATOM CS TOWERとして生まれ変わりました。

旧アトム館  竣工当時外観

もともと、新橋には明治の頃から家具関係の職人など家具に係わる会社が多かったようです。
CSタワーでは、本業の内装金物だけではなく、こだわりの商品を探し求める高感度なお客様に、家具やインテリアなどを販売することを始めたのです。
ただ、自分たちが金物屋だからなのか?何か、しっくりこない。さらに、こだわりの商品を取り扱う中で、その背景の興味が沸々と沸き上がるのです。自分たちの核となるものはいったい何だろう…?

 

-今までとは違う商品を扱っていく中で出てきた新たな悩みですね。

そうですね。そんな時に、CSタワーの活動の一環で、ロートアイアンの職人と出会いました。その方と握手をしたときに、彼の手が無骨でとても厚く、そして、とても温かかったんです。その瞬間に、何か、見えない職人からのメッセージを受け取ったのかもしれませんね。それから急速に、職人の世界を掘り下げてみよう。一緒に同じ釜の飯を食える仲間を作ろう!と。
もともと、アトムリビンテックの創業者は、繊細な装飾と微妙な細工の技術を要する江戸指物の錺(かざり)職人でした。創業時の原点である職人に敬意を払い、当社のDNAを探し求めるように、日本の職人を取材させて頂きながら、WEB(TSUNAGU WEB GALLERY)での企画展をスタートすることから始めたのです。

イヌイさん 全画面キャプチャ 20160817 211645

 

-WEBでの企画展からのスタートということは、まだお店は?

オープンしていませんでした。その後、取材を通じて様々な職人をご紹介いただく中で出会ったイス職人と、2010年3月に職人ご本人に来て頂いて、試験的なアウトレットセールを開催しました。

 

-その時の反響はいかがでしたか?

星亀OUTLET非常に良かったですね。約1週間開催したのですが、会期中にイス職人に会いに来られる方が非常に多いことに驚きました。
このアウトレットセールを通して、顔の見える職人の商品を販売する可能性を実感し、ショップ運営を意識するようになりました。

 

 

 

-ショップ運営に向けた大きな一歩でしたね。

はい。2010年は友達の輪ならぬ職人の輪といった感じで、職人から職人をご紹介していただきました。
と同時に、自分たちでも様々な展示会に足を運んでいました。そんな中で伝統工芸士の折井さんを知り、飛び込みで訪問させていただきました。

折井さん

 

-飛び込み訪問ですか?!

はい(笑)。飛び込み訪問にもかかわらず、折井さんには快く対応していただき、ありがたかったですね。
折井さんにはその後のKANAGUの柱となる高岡の職人を数多くご紹介いただきました。
そして、2010年秋に「ギャラリーショップKANAGU」をオープンしました。

ショップオープン

 

-ショップ名に「KANAGU」とつけたのはどうしてですか?

WEBでの企画展「TSUNAGU WEB GALLERY」のリアル店舗の位置づけとしてスタートしたこともあり、実はしばらく名無しのお店でした(笑)
ただ、当社のルーツである錺金具のエッセンスを取り入れ、折井さんをはじめとした、高岡の金属装飾に関わる職人たちの表現力の奥深さに衝撃を受けたことから、”金属”を中心とした商品構成にしようと決めたのです。そして、ロートアイアンの職人から受け取った、熱き想いのバトンを、職人から職人へと金具(KANAGU)が 繋ぎ、モノとヒトの物語りを届けられるお店にしようと。色々悩んだ末に、シンプルに日本語の ”かなぐ” をショップ名にし、ロゴも錺金具をモチーフとしたものにしました。

 

-ショップスタート当初の思い出はありますか?

ショップとして屋号をつけて看板を掲げることは、とても勇気がいる決断でしたので、その時の緊張感は今でも覚えています。そして、その頃を振り返ると、熱き職人たちとの出会いは、自分の実力以上に物事が進んだ2010年でした。会社には、職人の想いまでは説明できなかったのですが、企画を進めさせて頂いたことに大変感謝しています。そこから、誇り高き職人たちと盃を交わし、同じ釜の飯を食べ、KANAGUはスタートするのですから。

 

次回は2016年9月に掲載予定です。お楽しみに。

 

KANAGUギャラリーショップKANAGU

 Add:東京都港区新橋4-31-5 アトムCSタワー1階
 TEL:03-3437-7750
 Access:JR・東京メトロ銀座線・都営浅草線「新橋」
     都営三田線「御成門」「内幸町」より徒歩8分
 営業日・営業時間はホームページをご覧ください
 URL:https://www.atomlt.com/cstower/

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