プラスチックのミニ知識
金物といえば金属というのが昔からの相場のようですが、近年では金物の分野においてもプラスチックの利用は非常に多くなっております。
そこでプラスチックについてのその特徴と用途を簡単に見ていきたいと思います。
プラスチックの特徴
- プラスチックは成形が比較的簡単で能率的に製品を造ることができる!
- プラスチックは安い!
- プラスチックは耐水、耐蝕性が優れている!
- プラスチックは軽くて丈夫である!
- プラスチックは色が自由に着けられる!
プラスチックの2つの種類
プラスチックには「熱可塑性プラスチック」と「熱硬化性プラスチック」とがあります。
- 熱可塑性プラスチック
熱可塑性プラスチックとは、加熱すると解けて液体になり、常温では固体になる性質をもったプラスチックのことです。代表的なものにABS樹脂・塩化ビニール・ポリプロピレン・ナイロン・ジェラコンなどがあります。 - 熱硬化製プラスチック
熱硬化性プラスチックとは、加熱すると硬化し、一度固まってしまうと再び加熱しても軟化溶融しない性質をもったプラスチックのことです。代表的なものに、メラニン樹脂・ポリエステル樹脂・エポキシ樹脂などがあります。
金属で使用するおもなプラスチック
1熱可塑性プラスチック
ABS樹脂
大きな欠点がないプラスチックのため用途は広く、またメッキが可能なため金属の代替品としてもよく使用されています。
金物においても使用は多く、機能品から装飾品まで幅広く使用しています。
ポリエチレン
日常生活の中で最も目にふれるプラスチックのひとつです。硬質のものではバケツやタライなどが、軟質のものでは食品包装やごみ袋、ブロー成形されたマヨネーズや洗剤の容器などがあります。
ポリプロピレン
プラスチックの中で最も軽く、耐熱・耐寒性その他の性能に優れており、また折り曲げ疲労性が少ないなどの特性をもったプラスチックです。
おもな用途はフィルムのほか、ビールなどの運搬箱があります。
ポリアミド
デュポン社(アメリカ)の商品名「ナイロン」の名称で一般に知られているプラスチックです。耐摩耗性等、機械的性質に優れており、歯車やベアリングなどに使用されています。
金物においても、戸車その他に多く使用しています。
ポリアセタール
「デルリン」「ジェラコン」等の商品名で知られているプラスチックです。ナイロン同様、機械的性質に優れており、自動車部品、電機部品その他の精密部品分野に広く使用されています。
金物においても、戸車その他に多く使用しています。
塩化ビニール
硬質のものは、強度・電機絶縁性・耐水性に優れ、着色が容易で、加工性もよいため、水道配管やタイルなどに、また軟質のものは農業用フィルム・ラップフィルムなどに使用されています。
2熱硬化性プラスチック
フェノール樹脂
セルロイドに次いで古い(1909年に生産)プラスチックで、「ベークライト」の商品名で知られています。強度・電気絶縁性・耐熱性・耐化学薬品性にすぐれ、食器・鍋・釜・電気通信機器部品等に使用されます。金物においても引手などに使用しています。
メラミン樹脂
無色透明で着色が自由で、表面硬度が大きく、耐薬品製・耐溶剤性・耐水性・強度・電気絶縁性等に優れています。化粧板表面や自動車等の塗装に使用されています。
なお、テーブル甲板などで知られている「デコラ」とは住友ベークライトの商品で、メラミン樹脂を含浸した印刷用紙を表面にし、フェノール樹脂含浸紙を内部に配した積層版です。
ポリエステル樹脂
電気的性質・耐化学薬品性・耐熱性にすぐれ、ボタン・化粧板・壁材などに、またFRP(ガラス繊維の補強材が入ったもの)としては建材・浴槽・ボート・ヘルメットなどに使用されています。
エポキシ樹脂
耐薬品性・電気絶縁性が良く、着色が自由で、電気部品や機械部品のほかに、塗料として使用されます。
金物においても塗料として多く使用しています。