亜鉛合金のミニ知識

亜鉛合金の特徴ダイカスト用の合金です。
ダイカストとは溶解した合金を鋳型に流し込んで高圧を加えて成形する方法で、複雑で精度の高い成形品が大量に、高速度に生産されます。

ダイカスト用亜鉛合金は1907年にはじめてつくられました。
その後品質改善がされてZAMAK合金が誕生し、アメリカでは数十年以上前から使用されていました。
その後ZAMAK7が作られています。

JIS規格の亜鉛ダイカストにはZDC1とZDC2があり、特にZDC2は
- 鋳造性がよいこと
- メッキが容易なこと
- 機械的性質がすぐれ
- 寸法の安定性がよいこと
- 生産性が高いこと

などの特徴を有し日本ではダイカストの王者として君臨しています。
表1 亜鉛合金ダイカストの成分表 (JIS H5301)
記号 | 化学成分表 | |||||||
Al | Cu | Mg | Zn | 不純物 | ||||
Pb | Fe | Cd | Sn | |||||
ZDC1 | 3.5-4.3 | 0.75-0.25 | 0.03-0.08 | 残部 | <0.007 | <0.10 | <0.005 | <0.005 |
ZDC2 | 3.5-4.3 | <0.25 | 0.02-0.06 | 残部 | <0.005 | <0.10 | <0.004 | <0.003 |
Pb=鉛、Cd=カドミウム

亜鉛ダイカスト用合金ZDC1とZDC2の差は、銅含有量にあり銅は硬さと強さを向上させるのに役立ちますが経年変化により機械的性質が低下し寸法変化が大きい欠点がありますこの為日本では銅含有量の少ないZDC2が主力となっています。