挽物木地師(ひきものきじし)、佐竹巧成さんが挽いた汁椀
塗分け汁椀「曙」、荒筋汁椀「根来(ねごろ)」です。
山中漆器は、轆轤(ろくろ)を使った挽物技術が特色で、
表面にさまざまな縞模様をつける「加飾挽き」が大きな特徴です。
その手法は1本ずつ等幅にカンナで溝を挽いた千筋、
荒々しくランダムに筋を入れた荒筋をはじめ、
籠目筋、糸目筋、子持筋など数十種に及びます。
写真右の塗分け汁椀は、千筋に挽いた木地に朱漆と黒漆を重ね塗りし、
研ぎあげることによって洗朱の色が顔を出す「曙塗り」仕上げ。
写真左の荒筋汁椀は、下塗りに黒漆、その上に朱漆を塗る「根来塗り」。
紀州・根来寺の漆器がその名の由来で、
独特の風合いが茶人たちに好まれ珍重されました。
どちらも使いつづけるうちに、下地の色が濃くなって艶が増していきます。
塗分け汁椀「曙」(黒) / 荒筋汁椀「根来」(赤)
サイズ:約Φ120 × h63 mm
素 材:欅
作り手:漆工房大島