コンクリート

コンクリートとは、粉末状のセメントに水、砂、砂利を加えて混ぜたものです。

歴史的な建造物にも使われていた

最古のコンクリート建造物はイスラエルの柄リア地方のイフタフ遺跡から発見されました。
またエジプトのピラミッドにもコンクリートが使用されていました。イタリアでは西暦70〜80年頃に建てられたコロッセウムやパンテオン神殿などにも使われ、いまでも原型をとどめています。
古代ローマ人は、ベスビオ火山の火山灰が、石灰と砕石を混ぜたものに水を混ぜると固まることを、先住民のエトルリア人から学びました。
現在でも耐久性と強度が保たれており、劣化の原因となる二酸化炭素や塩分の染み込みを防いでいます。
コンクリートはローマのカラカラ浴場にも使われています。このローマ時代には馬の毛をコンクリートに混ぜることによりひび割れが防げること、また血を混ぜると凍結に強くなることも知られていたようです。

イギリスの産業革命でセメントが進化した

現在多く使われているセメントは、イギリスの産業革命時代のものが基本となっています。
セメントは1824年、ジョセフ・アスプディンが発明しました。石灰石を砕いたものに粘土を混ぜ合わせ、そこへ水を加え固まったものを細かく粉砕するとセメントができあがります。
(これで特許を取得=ポルトランドセメント)

日本のコンクリート生産の歴史

1873年、東京・深川の官営工場セメント製造所にて富国強兵のための製造がはじまりました。
また民間では、1881年、山口県にセメント製造会社(のちの小野田セメント、現・太平洋セメント)ができました。1910年、八幡製鉄所が高炉セメントの製造を開始しました。

セメント、コンクリート、モルタルの違いはなに?

鉄筋が錆びにくい理由

ビルなどの建物に強度を持たせ耐久性を高めるために、鉄筋を内部に入れ、コンクリートを流し込む工法があります。鉄筋が錆びにくい理由は、コンクリートの持つ高いアルカリ性によるもの。それにより鉄筋が保護され、さらにコンクリートの持つ圧縮強度と鉄筋の粘りの強さが合わさり強度が増しているのです。(因みに鉄骨工法も別にあります)

生コンクリートとミキサー車

ミキサー車のドラムの中に生コンクリートを入れて、工事現場まで配達します。生コンクリートはセメントと水が反応し、時間とともに硬化が始まるので、JIS規格では、90分以内に現場に納品することと決められています。

現在のコンクリートの耐久年数は?

コンクリートの耐久年数40〜100年程度までとされています。またどのようなコンクリートを使うかで、耐久年数が変わってきます。

出典:アトムニューズ218号 7-8ページ
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