重さを量る

地球の上にいる限り、あらゆる物に重さが存在しています。ところが無重力では、重さが存在しません。つまり私たちが物の重さを量るときには、物の性質のひとつである質量が地球の重力により引っ張られ、それにより重さ(重量)が決まるのです。

秤(はかり)のいろいろ

人類は、秤の原理を紀元前1万年前から既に使っていました。また、天秤はエジプトで紀元前5000年よりも前から使われていたと考えられています。
その後、ローマ時代になると、竿秤(さおばかり)があらわれました。竿秤は、てこの原理を利用して重さを量る道具です。竿に目盛りを記し、取っ手を支点として使用します。竿に量る物をかけ、重りとなる分銅の位置を動かして、バランスよく釣りあったときの目盛りを読みます、
17世紀にフランスの数学者ロバーバルによって考案された仕組みを使った秤が上皿天秤です。上皿天秤は、ひとつの皿の上に量りたい物を載せ、もう片方の皿に重りとなる分銅を載せ、バランスが取れたところで、分銅の重さを見れば、量りたい物の重さがわかります。
1770年にはイギリスでバネ秤が考案され、幕末には日本へと入ってきました。しかしバネの弾性を利用するこのバネ秤、金属が重力や気温の影響を受けてしまうので正確な重さが出ないために、正確な物の重さを量らなくてはならない分野では使われませんでした。その後、バネを利用した秤がさらに改良され、据え置き型の上皿バネ秤が登場しました。この秤には、その後、温度補償装置が付けられ、またバネも時計用の弾性のバネが使われるようになり、現在でも広く利用されています。


旧式のアナログ体重計の場合、人が乗るとボードの下に設置された1〜4ヵ所の短く太めのバネが伸び縮みし、円盤目盛りの裏側にある歯車が動き体重を表示。新型では、バネの伸び縮みをセンサーで感知しデジタル表示します。

大きく重い物を量る

数トンクラスのトラックを計測するときに、トラックスケール(台貫)という台座の上に車を載せて重さを量ります。
トラックスケールの仕組みは、台座の下に数ヵ所、ロードセルという計器になる金属が設置されており、その金属(銅ニッケル合金など)の歪みゲージを計測して重さを量っています。