海水から誕生したリチウム

リチウムは反応性がとても高く、空気中の窒素と簡単に反応して窒化リチウムができ、水と反応すると激しく燃焼します。そのため保管する時には油やナフサ、アルゴンなどの中に閉じ込めて保管しなければならず、人が接触を避けねばならない有害物質として取り扱われます。
リチウムの最も身近な用途としてリチウム電池が連想されますが、リチウム電池とは金属の中でイオン化傾向が最も強いリチウムを使った化学電池のことです。この電池は、小さくまた軽くて、高い出力電圧が得られるという特徴を持ち合わせています。それに加えて自己放電が少なく、寿命も長く、10年経過しても90%の容量を維持することができるのです。
その他にもリチウム電池は、リチウム塩有機溶媒(電解質)を使用することにより、水よりも融点を低くすることができるので、-40℃〜85℃の低温から高温までの環境で使用することが可能になります。

出典:アトムニューズ197号 8ページ
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