素材を知る「マグネシウム」

重宝される金属

人間の身体の中には約25gのマグネシウムが存在しているといわれています。その内訳は骨の中に50〜60%、筋肉などに約40%、血液中には1%未満です。
このように人間にとって無くてはならないマグネシウムですが、それだけでなく工業的な鉱物資源としても大活躍しています。この素材はさまざまな金属合金で、主な原料として使われています。金属の中でもとても軽く、航空機や自動車、スポーツ用品、精密機器、宇宙船、医療機器などに使われ、他の金属を付加元素として少し加えて合金とすることにより、強度、耐食性、耐熱性が向上することがわかっています。
また、昔のニュース映像などのなかで、新聞記者が取材の時に閃光を放つ道具を持って撮影をしていましたが、実はガラスの中に金属マグネシウムの粉末が入れられており、それにライターのような小さな火を点火し発火させると発光し、閃光材(フラッシュ)となったのです。マグネシウムは発火用品としてキャンプ用や軍事用に使われています。そのほか土壌改良用の肥料として、また膨張剤(炭酸マグネシウム)といった食品添加物としても使われています。
我々が食べるゴマやアーモンド、ヒジキなどの海藻類のなかにもマグネシウムは多く含まれています。

出典:アトムニューズ199号 8ページ
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