髙澤ろうそく

ろうそくは、奈良時代に仏教とともに中国より伝来し、仏壇に灯す明かりとして、
日本に広まったものと考えられています。天平19年(747年)の
「大安寺伽藍縁起並流記資財帳」に「蝋燭」の名でろうそくの記載が残されています。
当時ろうそくは輸入をしていたため、民衆の間では貴重品として扱われていました。
その後、平安時代に遣唐使が廃止され、「蝋燭」が輸入できなくなったことを機に、
松脂を使用したろうそくの製造がはじまったとされています。
また、江戸時代に黄櫨の輸入により国内でのハゼの実の栽培が始まり、
国産のろうそくが大量に生産されるようになりました。

七尾のろうそくの歴史は安土桃山時代に前田利家が能登全域を領有した際に
和ろうそく作りを推奨し、加賀藩財源にしたことがはじまりといわれています。

髙澤ろうそくは1892年に石川県七尾市に創業。以来、七尾のみならず能登全域の
寺院や住民に愛されるろうそく作りを続けています。和ろうそくは、自然の素材から
抽出された蝋と、灯芯草と和紙を使った芯から作られるろうそくです。
蝋の素材にはウルシ科の櫨の木の実、米ぬか、菜種など様々な種類があり、
西洋のろうそくのように石油(=パラフィン)を使わないのが特徴です。
また、和ろうそくの命ともいえる芯は、筒状にした和紙の上から灯芯草を丁寧に手巻し、
真綿で締められ、ひとつひとつ作られます。この芯は 先まで空洞になっているため、
燃えている間も常に灯芯草から吸い上げた蝋と酸素が供給され 、
風にも強い力強い炎になります。近年、ろうそくの炎が1/fのゆらぎであることから、
見つめているだけでヒーリング効果があると人気が高まっています。

縁を結ぶギフト包装