大阪府東大阪市を拠点とする1958年設立の家具メーカー・中村工芸の新しいブランド「BOY」
「BOY」は、施設やショップに向けに良質のファニチャーを作り続けてきた
中村工芸がはじめて個人のお客様に向けて作ったソファ。
BOYのコンセプトは”服のように、自分らしさで選べるソファ”。
「物語や作り手の想いを感じさせるデザインがいい」
「自分の感性にしっくりくるものを選びたい」という方を満足させたくて
“好き”という気持ちを大切にした、こだわりのソファを作りました。
デンマークで “ウールの服地” を意味する「boi (ボイ)」
主役となるのは、ひとめで上質とわかる表情豊かな海外製の張り地たち。
細やかな繊維が複雑に織り込まれた独特の品格ある風合いは、
日本製の張り地にはちょっとない個性がありインテリアの主役にも。
しかしながら、日本人にとってウールは冬のイメージ。
冬は暖かく過ごせても、夏は蒸し暑く不向きなように感じると思います。
その一方、北欧の人たちにはソファやチェアなどに馴染みのある素材であり、
あのフリッツハンセンのエッグチェアやスワンチェアの張り地もウール。
日本と比べ気温と湿度の低い環境下では、年中快適に過ごせることは周知のとおり。
「ウールは水分の吸放湿に優れ、夏は汗を逃がして熱がこもりにくい」
「ウールの構造は、繊維の断面に空洞があり、隙間に空気を含んでいるため、熱伝導率が低い」
という解釈もあることから、エアコン環境なども考慮にいれ、
他の何よりも質感や生地にこだわりました。
ソファの座り心地も然ることながら、ソファの大半を占める表面の張り材がBOYの主役。
一般的にポリエステルのような化学繊維を用いたお手入れのしやすいカバータイプが目立ちますが、
BOYではその扱いやすさよりも、天然繊維のもつ風合いを個性とし、
ソファを丁寧に張り込んで仕上げることを方針としています。
また、その他の特徴そしてソファに座クッションが付くタイプにはフェザーを目いっぱい詰め込んで、
立体的でふっくらしたフォルムと、柔らかい座り心地を得つつも、底つき感が出ないように、
座クッションの中心部に弾力のある薄いマットを入れて
メンテナンスの際は容易に取り外しが行えるような工夫をしています。
表面には決して見えることのないマットでさえ愛着がもてるように、シャツのような
ギンガムチェックの生地でマットを包み取り外しが楽しくなるような演出も試みています。
たくさんの専門家や職人さんとともに”最良の座り心地”を追求し
細部までしっかり手の込んだ質の高いものに仕上げることができました。
見て、ふれて、座るたびに「やっぱりいいな」と愛着が増していく。
そんなソファを目指したBOYを、あなたに気に入ってもらえればうれしいです。
– ソファ・デザイナー 海堀 登史孝 –
カタログ「BOY」より参照
「BOY」HPはこちらからどうぞ