釘と金槌

最近の家庭で使われている道具のなかには、釘よりもネジの方が多く使われているとは思いませんか?しかしやはり釘は木との相性がよく、多くの現場で今でも使われ続けています。

釘について

釘は木材どうしの接合や組み合わせ、その他の素材をつなぐために金槌で打ち付けて使うものです。
釘は昔から西洋では部屋の内装や、家具などを作る時に使われてきました。とくに、釘は鉄という金属を利用することにより、木材どうし、また金具を取り付けるのに最適な素材として現在まで使われて続けてきたのです。
釘は多くの場合、鉄でできているので打ち付けた後に乾燥が行き届いていないと、木材の内部で酸化して錆が発生しますが、適度の錆の場合、接合部が抜けにくくなるという利点もあります。しかし補習を必要とする時に抜きづらいという難点も併せ持っています。そこで現在では鉄釘にメッキ加工を施したものや、ステンレスの釘など、さまざまな金属も使われています。

竹の釘について

日本では、寺社などの屋根を桧皮で葺くのに、竹釘が使われてきました。桧の皮を竹釘で細かく打ち止めて、美しい屋根を作り上げています。竹釘は鉄の釘とは違い劣化することが少なく、日本古来の杮葺(こけらぶ)きの屋根にも多くの竹釘が使われています。

金槌について

釘が先か、それとも金槌が先か?議論があるとしたら、釘が先だと思われます。
やがてその釘を効率よく打ち込むことができる道具として金槌が登場しました。金槌は、振り下ろされた瞬間に、力学的にとても大きな力を釘の頭にかけることができる道具です。そのおかげで釘を木などに打ち込むことができるのです。

今ではエアーガンが金槌に代わりつつあります。

最近、住宅の建設現場をのぞいてみると「ガッガッ」と大きな音を立てて内装の壁に釘を打ち付ける光景を見かけます。金槌で打つよりエアーガンの方が早いわけで、そうなると大工さんの道具箱から金槌がなくなるのも時間の問題かもしれませんね。

出典:アトムニューズ202号 7-8ページ
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