家を守る「鍵と錠前」その二

最近観たSF映画の中で、鍵の代わりに瞳の認証でドアを開けるシーンがありましたが、これが鍵と錠前の進化の一部なのでしょう。それにしても、私の学生時代のように、ロッカーの鍵を失くしてしまったとき、プラスチック定規をナイフで削りだし、自分で鍵を作れた時代は、幻となってしまうのでしょうか?

錠前の内部が見たい

錠前がドアの中に隠れて見えなくなってきましたがじつは、ドア自体が錠前になったと考えるとわかりやすいかもしれません。

マンションでは、今や自宅の玄関に辿り着くのも大変です

都会では、マンションの建物に入る前に、自動ドアがロックされており、そこをクリアしないと玄関のドアに多取り付けないようになってきています。

三方向からの防御

鍵やまが少なくなり、その代わり鍵板にたくさんの穴のくぼみが掘られている。
これまでの鍵は鍵やまに合わせてシリンダーが、内部で回転する仕組み。そこからもう一段セキュリティを高めた方式、三方向から鍵の形を認識しシリンダーを回転させる方式がとられ始めました。

ピッキングと錠前の攻防

石川五右衛門、怪盗ルパンなどフィクションの世界でも歴代の有名な泥棒たちがいますが、それぞれがあの手この手で錠前を開けようと躍起です。そのなかでもよく聞くピッキングとはどのような技術なのでしょうか?
注意:この技術はそれなりに時間がかかるので、玄関のドアに2つの鍵穴を作ることが安全に役立ちます。

ホテルのカードキーって鍵?

ホテルでカードキーを渡されても見たところただのカードなので戸惑います。しかしこの鍵は、毎日暗証番号を変えて使うことができ、セキュリティの手段としては、使い勝手がよいのです。

変わりゆくセキュリティ

これからますます鍵は消え、音声識別、瞳認証、暗証番号、指紋認証などに変わっていくことでしょう。
私の仕事机の壁に、数十年前にロンドンの蚤の市で購入した20cmほどもある鍵を、好きで今でも飾っています。
調べてみると、この鍵はウォード錠で、産業革命まで使われ、鍛冶職人からも「最も鍵らしいカギ」と呼ばれ、この時代にはすでに、高度な技術水準にあったことがわかります。それに比べると電子の世界の鍵では、鍵というものの形がイメージしづらいのは、私だけでしょうか?
つまり鍵も錠前も自分たちの手の届く形からまったく離れてしまった存在になりつつあるということです。
しかし、それでもなお、この先も鍵と錠前の進化は止まることはないでしょう。

出典:アトムニューズ190号 9-10ページ
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