タモ(アッシュ)

ヤチダモが代表ですが、普通は単にタモと呼ばれています。同類にシオジ、アオダモ、トネリコなどがあり、各地で呼び名が違うので、戸惑うこともあります。ヤチダモは広葉樹の中でも地面から枝下までが真っ直ぐ丸く成長するために、利用するのに弱点が少なく重宝されてきました。ヤチダモには特徴的な硬さと粘り気があるので、無垢のテーブルや椅子などの家具に使われたりするほかに、野球のバットやテニスラケット、スキー板、ラクロスやホッケーなどの道具としても加工され、半世紀前には化粧合板の花形でした。ただ、良材とされた北海道産や大径木は枯渇気味となり、価格高騰で話題にされています。ここ数年は中国アッシュを多く目にするようになりました。

監修 石塚典男(木香家)

出典:アトムニューズ208号 8ページ
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