粘着テープ

たかがテープ されどテープ
接着テープは、テープの土台となる素材と接着剤との組み合わせでできています。

ガムテープとエジソン

ガムテープはエジソンが、プレハブ住宅を組み立てるために考案しました。プレハブ住宅に使う板と板を大量に、また簡単に貼り合わせるために作られたのです。
エジソンは、下地となる布にあらかじめ接着剤(ニカワなど)を塗布した粘着テープを考案。
日本では、主にダンボール箱の梱包に使うテープを総称してガムテープと呼ぶようになりました。
※「ガムテープ」という名称はこの時、商標登録されなかったので今でも使うことができるのです。

セロテープの誕生

どの家庭にもあるセロテープは、当初「セロハン粘着テープ」と呼ばれていました。
1930年にアメリカで開発され、塗装用として透明なテープが使用されていました。その後このテープは、紙に簡単に貼り付けられることから、補修の材料として重宝されたのです。
戦後、日本に進駐していたアメリカ軍から日本国内での製造を打診され、生産が開始されました。1948年、それまで日本で医療用絆創膏を製造していたニチバン(当時は日絆工業)がこれを請け負って「セロテープ」として製造・販売。当初は使い方がわからなかった日本では売れませんでしたが、地道な広報活動の結果、徐々に売り上げも上がってきて、現在に至っています。
(セロテープはニチバンの登録商標名です)
(セロハン・植物由来)+(天然ゴム・天然樹脂)

マスキングテープと養生テープ

マスキングテープは、ある部分を保護しながらも、最終的に塗装が終わると取り外される運命のテープです。
そのため紙などの下地を傷つけることなく剥離されなければならない役割を持ちあわせているのです。養生テープも同じ役割を担っています。

プロカメラマンが会い移用するシュア−テープ

撮影スタジオで使われる紙テープがシュア−テープです。剥げにくいうえ剥がした時、下地に接着剤が残りません。それに加えて照明のライトの熱にも耐えられるという優れもの。白と黒があり、テープに書き込みができることも特徴的です(職業あるある?)

付箋 – 失敗から生まれたもの

貼って剥がせるメモ用紙、ポスト・イット(付箋)は、米国・3M社の研究員スペンサー・シルバーが、「くっ付くけど剥がれる」新しい接着剤を開発したものの、使い道を見いだせず、当初は失敗作と考えられていました。その後、同僚のアート・フライがしおりにこの接着剤を使う事を考案。ふたりで製品開発をスタートさせました。
1977年のテスト販売を経て3年後に全米で発売したところ、瞬く間にヒット商品となったのです。

医療用サージカルテープの進化

人間の肌は絶えず水分が蒸発していますし、油分も同時に毛穴や感染から排出されているために、通常のテープでは剥げてしまいます。
その点、サージカルテープは、お風呂に入っても患部を保護しながら通気性も保持し、すぐには剥がれにくくなっています。

ふしぎなゲルテープ

ゲルテープとは、ジェル状の軽い粘着力を持った両面テープです。用途に合わせて切り取り、壁、タイル、ガラス、板などに貼り、必要に応じて取り外しができるという優れもの。

電気を通さない絶縁テープ

電気製品の劣化したコードを修復するときに使うのが絶縁テープ。電気コードの導線を出し、そこをハンダで補強し感電しないようにこのテープで包みます。電子機器、自動車、電気配線などに幅広く使われています。

出典:アトムニューズ220号 7-8ページ
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