家の中にある秘密の空間「押し入れ」

整然としたシンプルな部屋を演出するために、陰で一役買っているのが押し入れ（クローゼット）です。
押し入れが部屋のさまざまな荷物をのみ込み、収納していることは、当たり前過ぎて意外と気が付かないものです。ではこの押し入れを巡る冒険の旅に出たいと思います。

縄文時代の押し入れは？

特別な収納スペースはなく屋根の下にあるすき間に丸木を組み、収納していたようです。

今では当たり前のように敷き布団は押し入れに入れますが、昔は布団を部屋の隅に積んで置いているだけでした。

むかし西洋の貴族はドレスを自分ですぐに脱ぐことができなかったのでクローゼットの中にトイレが完備されていました。
つまりWCとは→W（ウォータートイレ）+C（クローゼット）の名残です。

児童書のなかでも爆発的人気が出たこの絵本も押し入れの中が舞台になっています。
子どもたちにとって、押し入れはものがたりの宝庫でもあったのです。

多様化するニーズに応えるように登場したのがアトムの折戸に使われる折戸用ダンパーなどです。閉める時の衝撃軽減と安全性を考え作られたものでした。

未来では、クローゼットの存在さえ見えないような部屋へ変化していくのではないでしょうか。

出典：アトムニューズ192号 7-8ページ
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信太工房主宰/カラクリ作家。博物館や科学館へのカラクリの貸し出し、ホテルなどからのオーダーによる作品制作、ほかにデパート各店での展示販売などを行っている