ファスナー

ファスナーは、物を包んだり開いたりすることができ、何度でも開け閉めができる画期的な存在!

ファスナーについて

昔から人々は布や衣服を纏(まと)う際には、ポンチョのように布に穴を開けて頭からかぶったり、衣服を前合わせにしてそれを紐や帯などで結び留めたりしていました。後にポタンが考え出され、布同士を合わせる方法で衣服を着るようになりました。その後新たに登場したのがファスナーだったのです。
ファスナーは、物を包んだりつなぐ役目を持っていることから、衣服以外にもさまざまな場面で使われるようになっていきました。

ファスナー誕生

1891年、米国のホイットコム・ジャドソンによって考案されました。ジャドソンは1905年、試行錯誤の末に「ジ・オリジナル」というファスナーの原型を考案、その後、靴紐を結ぶのに手間のかからない方法としてファスナーを完成させたといわれています。
その後、海軍の軍服にも使われるようになり、1921年、米国のメーカーが、締めるときの「シューッ」という擬音の「ZIP」からファスナーを「ジッパー」と命名し、その呼び名も浸透しました。

日本のファスナー

日本では「チャック」と呼ばれていました。その理由は、巾着(きんちゃく)の様に閉じる役目をしているので、きんちゃく→チャック(ファスナー)となったようです。現在、日本のチャック(ファスナー)メーカーのYKKは、世界シェア約40%を占める企業に成長しました。

世界では、何と呼ばれているの?

同じファスナーでも、国が違うと呼び方も変わってきます。

さまざまな場所で活躍するファスナーたち

漁網

ファスナーを使えば、漁網の中に簡単に出入りできる

防寒着

オイルフェンス

水面に油などが流れ出したときに、オイルの拡散を止めるフェンスをファスナーで繋げ合わせて広げられる

ソフトタンク

ソフトタンクは牛乳などを入れても液体が漏れ出すことなく運搬できるファスナー付きのタンク。中身を出した後には折りたたむことができる

どこにでも付いているファスナー

ファスナーは、漁網はもとより、衣服、ペンケース、布団カバー、財布、靴、カバン、スポーツグッズ入れ、ユニフォーム、トレーニングウェアなど、ありとあらゆるものに使われる存在となりました。

ジップロックの登場

ジップロックは今ではどこでも目にする存在ですが、その始まりは、1960年代中頃、とある展示会で、米国のダウ・ケミカル社の担当者が、日本人が考案した開け閉めできる袋を見てヒントを得、1972年に新たにストレージバッグとして商品化を実現、世界中に広まっていったのです。

気密性と耐火性を求めたファスナーで宇宙へ

とくに気密性が必要とされる消防服(耐火服)、ダイビングスーツ(ドライスーツ)、宇宙服(与圧服)H-IIAロケット(耐火用サーマルカーテン)などに使われています。

出典:アトムニューズ219号 7-8ページ
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