素材を知る『Hoshi』という物質

『Hoshi』という物質

素材を知ることは次の進化への道しるべになるのかもしれません。
「素材を知る」の最終回は、『Hoshi』と名付けられた地球外の鉱物の話です。この鉱物は、国際宇宙ステーションのMPAC&SEED(微小粒子捕獲実験装置及び材料暴露実験装置)により宇宙で改修された微笑の粒子を分析した結果として2012年に発表されました。この鉱物はニッケルに富んだ硫化鉄、その他カンラン石や輝石などの成分が含まれていますが、地球上にはあり得ない鉱物の特徴があるといわれています。

この地球がまだ原始の灼熱の時代に、多くの隕石が宇宙から地上に落下し、その中に存在していた物質(アミノ酸やタンパク質を含む)が、酸性の水に覆われていた地球上で強烈な雷の放電などにより生命誕生のきっかけになったとも考えられているのです。このように、彗星の塵のような素材や大気圏で燃え尽きる前の物質を調べることは、宇宙を知ることにも大きな役割を果たすのです。
天体物理学者のカール・セーガンが生前に「宇宙はすべて兄弟なのだ」という言葉を残しましたが、その意味は「ビッグバンから始まった今の宇宙は、遙か彼方の星から地球上に存在する生命体まで、すべて同じ宇宙の物質でできている」ということに他ならず、素材を知ることは、地球を知り、宇宙との繋がりを知ることへのきっかけになるのかもしれません。

出典:アトムニューズ200号 8ページ
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