杉(スギ)

杉の話をすると、杉花粉を連想する人も多いかもしれませんが、もともと私たちの家にはたくさんの杉の柱や板が使われてきました。
木の専門家に聞くと、杉の板を扱っていると「死に節」、「生き節」に出会うと言います。建材にする杉は成長過程で枝打ちしますが、このとき手を抜き、枝の根元を残したままにしておくと欠点が多く残り、「死に節」となり、場合によっては節が抜け落ちてしまいます。ところが手間をかけ、上手に枝打ちすると、その後は成長とともに吸収され、「無節」、「生き節」となるそうです。木の成長に大切な枝との付き合い方しだいで、「人生の節目」も変わってくるのかもしれませんね。

監修 石塚典男(木香家)

出典:アトムニューズ202号 8ページ
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