素材を知る「水晶」

水晶の不思議なチカラ

水晶は二酸化ケイ素が結晶してできた石英の一種で、原石は6角柱の状態で発見されます。不純物が入っていないものは透明度が高く、特に透き通ったものを水晶と呼びます。この鉱物はマグマによって熱せられた水が冷えることによって形成されます。
太古の昔から、人類は世界中でこの鉱物を大切にしてきました。宗教の儀式や神聖な場所で使ったり、また健康のために身につけたりしてきました。なかでもヒマラヤ地帯で採れるヒマラヤ水晶は、100年でおよそ1mmしか成長しないと言われていますが、チベット密教の僧侶にも使われ、『ヒマラヤ山魔法の石』とも呼ばれる貴重な水晶です。
クオーツ時計に水晶が使われていることは有名ですが、もとをたどれば、水晶に圧力をかけると振動して電圧が発生する圧電気現象を1880年に発生したジャック・キュリーとピエール・キュリーの功績です。デジタル時計では毎秒32,768回の振動を電気的に処理して表示しますが、ほぼ狂うことがないため現在でも時計や家電製品の中に使われ続けています。

出典:アトムニューズ194号 8ページ
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