ブナ(椈・橅)

ブナは「森の女王」とも呼ばれ、世界中の多くの蓄積量がある広葉樹です。生命力が強いブナは地球の広範囲に自生していましたが、現在密集して生息するブナ林はヨーロッパの一部とアメリカ東部、そして日本の3地区しかなく、ドイツでは環境意識の高まりから広葉樹であるブナの復権が叫ばれています。

材木としてのブナは腐りやすく狂いも大きいので、あまり生活の中に取り入れられてきませんでしたが、近年は製材と乾燥の技術的進歩に伴い、合板等への接着や加工が可能となり需要が増えています。また、曲げ加工に適しているブナは、家具の脚などにも好まれ、輸入材のブナは「ビーチ」と呼ばれて日本各地で取り引きされています。

監修 石塚典男(木香家)

出典:アトムニューズ207号 8ページ
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