透けて見える素材の正体は?

本来の珪砂には鉄分が含まれているので、そのままガラスにすると緑がかってしまいます。エジプト人はそこに二酸化マンガンを加えることにより無色化することもすでに知っていたようです。
通常、ガラスの中心となる成分はシリカ(珪酸)で、原材料は珪砂・ソーダ灰・石灰などですが、これらを約1,500度の高い温度で溶かして混ぜ合わせることによりガラス板に作り上げます。
カットガラスは基本の材料に鉛を混ぜてつくりますが、高温にも耐えられる石英ガラスには珪砂だけを使用します。板ガラス(フローティングガラス)は錫を溶かした大きな溶解窯の中に高温の赤いガラスを浮かべるととかされている錫によって表面が平らになります。その後ローラー・コンベアーでガラスが引き出されていくと、上面と下面が磨いたように透明感のある窓ガラスが完成します。
出典:アトムニューズ191号 8ページ
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