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ドア・引戸・折戸などの建具金物、クローゼットなどの収納の金具や家具金物、手摺や物干し金物など「住まいの金物」の製造、販売。

 吉田先生の提言 

 絶対に押さえるべき8つのポイント 

吉田 芳春(吉田国際特許事務所 所長/弊社顧問)
雑誌 「THE21」(PHP研究所)平成9年10月特別増刊号より

1.特許調査すべき!
新製品を開発するときに、世の中には他人の似た発明が必ずと言っていいほど存在している。特許公報には、他社の研究開発の結晶が記載されている事になるので、これを参考にすると開発技術のレベルを一足飛びに上げる事が可能となる。まず、出願公開された発明を知る事ができるため、同じような開発をしていた場合は出願や開発を中止して費用を無駄にせずにすむうえ、出願傾向から他社の進行を予測することができる。又、権利の範囲を知る事ができるので、未然に先願との抵触を避けることができるうえ、製品開発の余地を知る事ができる。特許調査は、新製品開発をするためのガイドマップを作るようなもの。最短距離で開発を進めるためには、怠ってはいけない。

2.出願前に話すな!
残念ながら世の中には他人のいいアイデアを聞くと、ただちに自分で出願する人が少なくない。同一発明については先に出願した発明のみを特許する「先願主義」が、日本では採用されているので、もともと発明したのに、出願が後となったため拒絶される事も珍しくない。取引先に、よいアイデアがあるから採用してほしいと話を持ちかけたが、検討期間と称してなかなか回答がもらえず、その期間中に話した発明をこっそり改良して出願するといった例がないわけではない。A社が取引先であるB社の注文をもらおうと、コストダウンになる金属加工方法を話したところ、B社が特許出願してしまい、加工賃の安いC社が注文を受けたというケースがある。A社が特許出願しておけば、このような悲劇は生まれなかった。

3.発表前に出願を!
特許法では、新規制のない発明を許可しない。たとえ自分でした発明であっても、社会通念上秘密保持義務がない相手に話したときは、新規性を失った事になる。侵害者に対して特許権の侵害であると警告したところ、侵害者から「権利者自らが出願前に発明の内容を話していた」と指摘されてしまい、特許は無効となってしまうこともある。例外的ではあるが、「刊行物掲載」や「学会での文書発表」、あるいは「指定された博覧会での展示」により新規性を失った場合には、その旨を明記した書面を提出して6ヶ月以内に出願すれば、新規性が認められる。なお、既に製品販売したときには、発明の新規性が認められないが、意匠に限っては新規性が認められる。

4.特許の早期審査の活用を!
特許出願から権利化までは、現在のところ約3~4年に短縮されているが、アメリカの1年半に比べるとまだ長い。早期権利化の要請に対しては、実施されている特許出願を早期審査する制度が設けられているが、知られていないせいか利用率が約1,500件/年と極めて低い。出願公開後(出願から1年半後)に早期審査を請求すると、現在のところ請求日から約3ヶ月ほどで審査をしてくれるので、最短では出願日から2年で特許が得られる。最近、特許庁は出願公開前であっても審査に着手するという運用方針を立てているので、早期審査請求により出願公開前に審査されて、特許査定が得られることも可能である。せっかく制度があるのだから、もっと活用しよう。

5.無審査による実用新案権に注目!
最近のパンフレット類には、「実用新案登録済」の文字が散見される。94年以降の実用新案出願は、新規性や進歩性などの審査を経ずにただちに登録され、6年間有効となる。出願から権利化までは約4~6ヶ月ほどに短縮されているので、流行品などの短サイクル商品や、電子玩具のような技術代替が激しい商品には利用価値がある。実用新案登録番号を宣伝広告に利用したいときにも価値がある。実用新案権者は、特許庁に技術評価を求めて実質的な登録性を確かめておくことができ、技術評価書を添付して警告することができる。逆にいうと、実用新案登録済だからといって驚くことはなく、特許調査により実質的登録性を検討すべきこととなる。

6.意匠権の緊急獲得を!
「たまごっち」(商標)の品不足間が薄らいできた今日この頃であるが、一時のブームの凄さは特筆すべきものがあった。それにともない、類似商品も街にあふれだした。この、「たまごっち」の意匠権は本年6月に成立したが、異例ともいうべき早さの権利化である。従来は意匠出願から権利化までは約 2年ほど要していたので、意匠出願に対しても緊急審査制度が設けられた。審査官は実施している商品の類似品が出たときには緊急で審査する。緊急審査は出願日以降に請求により行なうもので、約1ヶ月ですぐに審査してくれる頼もしいものだ。アイデア保護は意匠のほかに、特許や実用新案と多目的に行なって積極的な早期権利化を図ることをお勧めする。

7.従業員発明を奨励すべし!
中小企業ではトップが80%以上の発明をしている。企業を発展させるには従業員の発明を奨励することだ。まず、発明者を実質的に決定する方針明示する。特許公報へ発明者として従業員を載せてもらい、従業員は他社及び外国での閲覧も可能になったことを知らせる。なお、それとあわせて従業員から会社への発明譲渡書を残す必要がある。次に、社内で発明名称を公表し、発明機運を高める。必要に応じて、たとえば10又は50といった件数を発明した発明者名を社内発表すべきである。更に、職務発明規程を制定し、補償金制度を明確にする。一般例としては、特許出願時には5,000~20,000円程度、特許時には10,000~30,000円程度、その他に実績に応じた補償が行なわれている。

8.知的所有権(著作権)登録商法にご注意!
工業所有権(特許、実用新案、意匠、商標)は特許庁で登録して権利が発生するが、著作権は登録を要せず、創作時に発生する。知的所有権(著作権)登録商法は、工業所有権と著作権とを混同させ、本来工業所有権で保護されるべきアイデアを「知的所有権〇〇協会」といった団体に申請・登録すれば、早く安く権利獲得できて有利であるような宣伝をし、登録業務を行なうものである。仮に、著作権登録したアイデアの図面や説明書があったとしても、著作権法ではその図面や説明書の無断転載を禁じることができるにすぎない。第三者がその図面や説明書と同じものを商品化しても、特許などの権利を持っていないから、特許権などの侵害にはならない。このような商法は法律に基づいたものではなく、公的機関とは無関係であり、要注意である。

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