引っぱって軽くなる滑車!

私たちはふだん暮らしの中で、知らず知らずのうちに滑車のお世話になっています。滑車が使われているところは、エレベーターのように、あまりおもてに出ていないことが多く、気付かれにくいのです。それでも工事現場で、重いものを少人数で持ち上げる場面などで目に触れることもあります。

滑車について


滑車というものを人類は、いつ頃から使い始めたのでしょうか?
ギリシャ人のプルタルコスの記述によると、古代ギリシャの時代に、アルキメデスにより滑車のしくみが考案され、実際に滑車が使われていたとされています。その記述によると、大勢の人が乗っている軍艦を滑車を使って動かしたとされています。
日常の中では滑車を見かけることはあまりありません。
しかし、テレビや映画の時代劇などであれば、定滑車で井戸から水を汲み上げるシーンを見かけることがあります。その一方、重いものを軽くする機械(動滑車)と組み合わせたものが複合滑車です。

エレベーターと滑車

ビルなどのエレベーターでは、多くの場合滑車が使われています。エレベーターを動かす方法としては、滑車式のほかに油圧式など、いくつかの方式があります。
エレベーターの歴史で注目されるのが、1835年にベルサイユ宮殿内で作られた蒸気式のエレベーター。これは食事をする大広間と地下のフロアを繋ぐために作られました。またわが国では1890年、日本初の電動式エレベーターが浅草の凌雲閣に設置されました。

出典:アトムニューズ206号 7-8ページ
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