玄関 Part2 「引き戸」

引き戸は、アジアで玄関などによく使われる形態ですが特に日本では、さまざまなところに適した引き戸を考え出しました。
現在では、玄関としては使われなくなりつつある引き戸をもう一度考えてみたいと思います。

天岩戸から日本の引き戸がはじまる

古事記や日本書紀の中で登場する神話
スサノオの蛮行を嘆いた天照大神が天岩戸に隠れてしまいこの世界が真っ暗になってしまいました。
そこで、八百万の神が相談し、オモイカネが一計を講じました。
岩戸の前で、人々が賑やかに踊り大笑いしていると、その様子が気になった天照大神が、ほんの少し岩戸を開けた瞬間外で待ちかまえていた力持ちがいっせいに岩戸を引いて開けたおかげでまた、明るい世界を取り戻した、というお話です。

江戸時代には考え出されていた直角に曲がる引き戸

引き戸で戸締まりをしていた時代はのんきな時代

むかし、日本の田舎では家に鍵をかけずに出かけていました。
戸締まりをするとしたら、中から心張り棒を斜めに押さえつけるくらいでしたから、そう考えてみるとまだまだ心が豊かな時代だったのかもしれません。

引き戸の変化

引き戸の重さに対応してレールと滑車を採用しました。

茶室のにじり口

茶室に入るときに、位の高い者も平民も平等に頭を垂れて入室する作法を千利休が考え出しました。

床から溝やレールがなくなった

子どもや高齢者にやさしいバリアフリー化に成功したアトムの移動間仕切金具を使えば、床を走る戸の音も少なく移動させることができる。

出典:アトムニューズ186号 11-12ページ
「アトムニューズ」バックナンバー