素材を知る「レアメタル」

レアメタルという金属があるの?

近年、携帯やスマホなどに使用されている金属として取り上げられることの多いレアメタルは、希少金属を意味する独特なネーミングですが、海外ではマイナーメタルとも呼ばれています。ところが、マイナーと呼ばれる金属が、現在ではハイテク化されたさまざまな製品で幅広く使用されるようになっています。レアメタルは単体で存在する金属と勘違いされがちですが、そうではありません。ニッケル、コバルト、リチウム、ホウ素、チタンなど31種類の金属の総称なのです。これらの金属が希少である理由としては、地殻中の存在量が少ないこと、また採掘と精錬に高い費用がかかること、単体での取り出しが技術的に難しいことが挙げられます。

これらの鉱物の埋蔵量では中国が世界でダントツです。そのため、一時期この金属が政治の交渉材料として使われることもありました。そこで日本でもレアメタルの新たな埋蔵地を探していたところ、日本近海の深海にも多くのレアメタルが存在していることが確認されました。ただし、コストとの折り合いがつくかどうかが、今後のカギとなってくるでしょう。そのほか、ハイテク機器の中に使用されているレアメタルは都市鉱山と呼ばれ、これらを取り出して再利用するリサイクル運動が注目されています。

出典:アトムニューズ198号 8ページ
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